素朴な疑問を大切に 
埼玉県議会
無所属改革の会

 
 
 

平成30年度へ向けた埼玉県庁改革提言の知事への提示が埼玉新聞に掲載されました。

 
 
 

改革提言書

 
埼玉県知事 上田清司様  

 

県議会 無所属改革の会

 

上田県政の歴史的成果に向けた『県庁改革提言』(追加事項)
埼玉県民の貧困・絶望は、県の取組みによって、減っていますか?

                                                                                                              
 
私たち改革の会は、これまで、一般社会では至極当然の事を提言して来ました。
人口は増えるもの、経済は成長するもの、という20世紀の日本社会が新たな状況にシフトしている中、県庁の一部の部署(例えば、先端産業部門)だけの変化では、県民の想いと、益々かけ離れていきます。
私どものこれまでの改革提言に対して実行が極わずかな事で、県庁への期待が『落胆』へ変化しています。(県庁内には、県民の中のその想いが伝わっていないようです)。優秀な素地を持っている職員もその力が発揮出来ない状況のように感じます。
よって本年度は、これまでの年度執行提言に加え、県政の本質的部分についての提言とさせて頂きます。
 
 
 
【県の仕事と仕組みの検証を】
《自己評価の視点の変更を》
『県民意識調査』の捉え方
 ・この意識調査の回答率、回答層をどう捉えるか。
   そこに着目すると、県民の県庁をどう見ているかを感じ始められます。
 ・何も期待していないから、不満が無い系の回答になっている可能性は?
 ・満足度調査に答えない、答える余力も無い県民の存在するのでは?
   行政の重要な役割の一つが弱者の救済・支え合いの実行。その方々の回答数は?
※1
 
《行政の役割の視点の変更を》
今の全ての事業が必要かどうか、という視点から見直したら「全て必要」となります。
その為全く違う視点から、県の事業1つ1つの位置付けを再確認して下さい。
 ・「今を」生きられるようにする事業(やっている事、やりたいけどやれてない事)
 ・「未来も」生きられるようにする事業(同上)
 ・「今を」豊かに暮らせるようにする事業(同上)
 ・「未来も」豊かに生きられるようにする事業(同上)
※2
 
《県と市町村の役割の視点の変更を》
県がやるべき事か、市町村で出来る事か

 ・県がやってもいい事か、県がやらなければならない事かの確認・分類を
※3
 
《人材登用、人事のあり方の視点の変更を》
 知事・各部長・課長に、異議を唱える職員が何人いるか数えてみて下さい。
※4
 
《職員の給与等に関する表現の視点の変更を》
 給与等の見直しに関し、民間の水準、という表現ではなく「大企業事務職員の水準」といった言い方の検討、実施を
※5
 
《県の仕事の見直しを、適正な職員数の視点の変更を》
税収に対する人件費は、低過ぎて悪い事はありません。
※6
 
《知事のスケジュールの視点の変更を》
政治的な判断(新たな選択、変更、重点化)につながる意見交換、現場を見る、討議をする時間確保へスケジューリングの見直しを。
※7
 
【今を生きていける埼玉にするために提案】
〜生活困窮からうまれる諸問題へのセーフティーネット構築へ〜
 
国民健康保険 松坂県議への知事答弁を具体的形に
・国保の保険者として、財政的責任と行動を明確に
・特区として、国保と(公務員)共済の統合の提案を
・“赤字”という表現は、県の文書としては廃止を
※8
 
座間市で、埼玉県内高校・大学生 3人の殺害の背景を思考してみること
・『予備軍』はどこにどれくらい存在するのか
SNSの問題ではなく、社会に欠けているものそこに求めている事への対策を
・加害者・被害者の生育環境を把握(推察)して見えて来る事は何ですか?
※9
 
●女性への街頭スカウト対策を
 民間防犯組織(ガーディアンエンジェルス等)と県警との連携、条例制定、警察庁との協議などにより改善を
※10
 
●万引き防止対策
 県から店舗に対して、学校への通報(後日でも)徹底化の文書通達を定期的に 
(教育的側面からも、商店主保護の為にも)
 
●生活資金借り入れの実態の把握を
※11
 
●県の防犯・青少年育成など啓発活動 街頭PRだけからの脱却を   
 
●『学力偏重』の進路指導、県立高校の存在意義をどう見出すか。埼玉県で出来る新たな取り組みを
※12
 
●『生活指導』の為、教職員の増員を
生活指導を必要とする生徒が多くいる高校の教職員の人数を多く。
※13
 
●高校の教職員が、自分が受け持つクラスから退学者を出す事は、いけない事だという認識を持つようにする新たな仕組みを。
※14
 
●県内に本部の無い私立高校への補助金を、県外私立への通学生にも修学支援を
※15
 
●保育所等に入所する児童の保育料と共に、幼稚園に在園する第3子以降の児童の保育料についても負担軽減を図る補助制度の創設を
 
介護職員相談窓口の設置を
※16
 
●県土整備事務所への職員増員を
 
説明
※1
誰もが幸せに生きられる社会とする為に、行政が行う仕事は多岐に渡るように思ってしまっています。しかし、その主軸の対象とすべき県民は、調査に回答する余力も期待感も無いと推察出来ます。その可能性があると考えて、調査のあり方、調査結果の評価をしていかないと、本来やるべき事業をやり損ないます。
 
※2
 この分類作業を行う事で、現状の財源の中で、「やらなければいけない事」と「やっても良い事」が見えて来ます。
 
※3
 この区分け作業を行う事で、県の仕事の棚卸しが出来ます。そして、やらなくても良い事、その部署分の人件費を事業費に転用する事が出来ます。市町村への出向派遣も可能になります。
 
※4
“身分保障”が生かされているかどうか。上田流を身につけた『処世術』に長けた職員に囲まれて行っている可能性を見て下さい。
 
※5
 人事委員会など職員のボーナスを検討する部署は「民間の水準」と言っていますが、一般社会から見れば事実ではないし、適切ではない。『役所の論理』のみに今後も縛られたいのなら適切でしょうが。
ボーナスが上がる時は遡(そ)求適用、下げる時は不遡及のままで良いのかを検討する必要があります。
 
※6
『【異次元】の高齢化』と県庁が言って2年になりますが、その後『異次元』な政策転換・改革の視点は、何1つ出て来ていません。そう言われてこれまでの事業を探すのは不毛です。異次元とは、これまでの発想・やり方ではダメという事です。
 県庁に政策担当課・職員は必要ないという事ではないでしょうか?以前「現場に行くべき」と提言して変化も見られず、県庁以外の県民からの聞く耳を持たれないなら尚更です。
問題点の中枢に気付きにくく、『成果指標』を表面的なものにしており、なんと、困っている県民に不利益な状態です。県民にとって重要でない、もしくはそうしたからといって、さほど変化はない『目の前の』仕事が大事と思ってしまっています。
県庁が「大変な生活をされている県民」の事を想うなら、難しく考えるよりも、なすべき事を淡々とやる事が出来るようになります。
 更に、計画策定報告書作成重視の事務執行。余剰の管理部門という視点。やらなくても良い事の洗い出し。こういう視点から再考すると、間近に迫った超高齢人口減少に向け、一層の『職員定数削減』が実行出来るはずです。
 
※7
 知事は、政策的・政治的『変更』の決断をする事が主な業務であり、県庁に他には誰もいない事は、言うまでもありません。
 知事が超人的な体力をお持ちでも、余程スケジューリングを意識しないと、幅広くブレーンストーミングをする時間が確保出来ません。このままでは、普通の県民党知事で終わります。
 
※8
健康保険税を払えない県民が1割もいる中では『国民皆保険』とは言えない。
『国民健康保健運営方針』には、赤字という表現ではなく、“歳入不足”という表現が望ましいと質問やヒアリングで提案したが、そのまま何の変更もなく配布された。県は、制度上の問題はさておき、これを一方的に市町村に対して赤字という表現を示す事をよしとしたと考えて良いのでしょうか?
国民健康保健運営方針を、改革の会に渡したのが質問前日、議会全体に配布したのが議会閉会日。重要な事を多角的視点から広く議論させないようとしているとしか感じられない。 
こんな困難な問題を、担当課だけで抱え込んで苦悩する気なのでしょうか。幅広く議会、県民を巻き込んで前進させる選択肢は必要ない?
 
※9
18才未満のネット被害者が過去13年間で、36%増えているという事は、現状の対策ではダメだという事。2003年 1278件→2016年 1736件
 ネットは最後の居場所空間になっているだけ。その手前にある課題を探求していかないと、問題は見つけられない。(「捜査中であるから難しい」という思考停止でなく、県としてどう思いを巡らすかが重要)
 
※10
 貧困による親の実質不在、親の未成熟による育児放棄[等]から、居場所を失った子供たちが、その状況を知り尽くしたスカウト行為により食い物にされていく。その窓口を無くしていく必要があります。
 
※11
 銀行がカードローン事業を積極的に推進し、自己破産者が増加している(昨年6万4000件で、今年はそれを上回る)。
 県内の状況を調査し(県内銀行調査を)、(国の動向を注視する事無く・国の対応だけでは不充分なので)そうならない県としての周知啓発の対策を。
 
※12
 ペーパーテストの点数が人間の価値と勘違いしない教員、生徒の育成をする為に何をすれば良いか。中学の進路指導が『高校進学ありき』で進められる事が、そもそも退学者を生み出す事につながっている。進路指導で「このままでは高校に行けないぞ」は適切ではない。そう思っている教職員は、存在する。
 職業訓練校・就職等も、高校進学と同様に指導を行う。教職員にそのような経歴者がほぼいない事から、特段の考慮が必要。
 
※13
 生活困窮家庭・ひとり親・家庭に課題のある生徒には、生活指導を手厚くし、ボトムアップする事が、教育の平等であり、教育の一貫。学業以外にそういう負担が大きい高校へ、生徒指導に長けた教員をより多く、増員として配置する必要がある。
 県立高校の存在意義は何なのか。そこから考える必要がある。学力や様々な学校の状況を考えず、生徒数で教職員を配置する現状からの脱却を。
 
※14
 5人以上退学者を出した担任の場合、面談回数・内容を、県教委に提出。
勤務評定の新たな改善等。
 
※15
 それらの補助金を出さない理由が分からず、全く県民に説明出来ません。都内や他県の私立高校も、県立高校、県内私立で満たせないニーズを補完しています。もし出来ないのであれば、県民に明確に分かりやすく説明できる理由を示して下さい。
 
※16
 埼玉県内で介護職員相談窓口を設置しているのは1市しかない。前向きに検討している市町もあり、県として明確に推進する価値があります。
 
 
          【地域課題】
(狭山市)
 新富士見橋   (国道16号の信号で止まらなくて済む)左折レーン整備を 
          橋の掛けかえを
 笹井堰      堆積土砂を浚渫し、治水機能と環境の改善
 狭山市駅東口   ロータリー以東の1つ目の交差点への横断歩道の整備
 不老川      東京都内の調整池整備の働きかけ
 
(東松山市)
東松山IC周辺    新規 国道254号・深谷松山線交差点改良
冑山熊谷線      継続・東松山市岡地内    バイパス整備
東松山停車場線    継続・東松山市箭弓町地内  電線地中化
国道407号      継続・東松山市柏崎地内   4車線化
こども動物自然公園  継続・東松山市岩殿地内   二次区域開設
行田東松山線     継続・東松山市内      交差点改良
深谷東松山線     継続・東松山市松山町地内  側溝整備
高坂上唐子線     新規・東松山市石橋(南中) 交差点改良
新江川        継続・東松山市古凍地内   排水機場整備
角川         新規・東松山市大谷地内   改修促進
九十九川       継続・東松山市正代地内   排水機場整備
大里久保田下青鳥線  新規・東松山市古凍地内   信号機設置
 
(川島町)
日高川島線      継続・川島町吹塚地内外   道路改築
日高川島線      継続・川島町上八ツ林地内  歩道整備
鴻巣川島線      継続・川島町上伊草地内   歩道整備
平沼・中老袋線    新規・開閉橋交差点     交差点改良
安藤川        新規・上流部改修整備延伸  改修促進 
市野川        継続・河川敷内雑木撤去
川越栗橋線      継続・川島町下狢地内            歩道整備
川越栗橋線      継続・川島町山ヶ谷戸地内        歩道整備
川島町全域      継続・かんがい排水事業
           小学校の統廃合に係る諸整備(スクールバス)支援
 
(吉見町)
東松山鴻巣線     継続・吉見町久保田地内他道路改築(4車線化)
東松山桶川線     継続・吉見町荒子915-1信号機設置
吉見領地区      継続・吉見領湛水防除事業
吉見町寺の前池    継続・ため池整備事業
吉見町諏訪沼     新規・ため池整備事業
吉見町大和田     新規・工業団地整備
吉見町松山城跡    新規・松山城周辺整備事業
 
(草加市)                         
草加三郷線      柳島交差点の着工
草加三郷線      東武線と足立越谷線間の歩道着工
金明鳩ヶ谷線     国道4号以西の南側歩道(水路床版)の全面改修 
 
(全 般)
・横断歩道と停止線の復元
 
 
【結びに】
・今回の改革提言の実現は、昨年までに比べて容易のはずです。予算措置が必要な事業というより、あり方を見直すものだからです。
・上田県政が、普通の県民重視の県政改革(脱皮)という枠から、歴史に残る転換(羽化)をし、不可塑(そ)な足跡を残す為に必要だと考えたものに絞り込みました。検討・実施頂ける事を期待しています。
 
※個別具体事項については、昨年度までの改革提言事項中、私どもの視点で事業の進捗に変化があった場合のみ教えて下さい。
 


 
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